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2003-2003

建設技術研究開発

環境中における雨天時下水道由来のリスク因子の変容と動態

[代表:古米 弘明]

近年、合流式下水道の雨天時越流水(CSO;combined sewer overflow)に伴う汚濁に関して一般の関心が高まっています。しかし、降雨のような非定常的事象に対する現場調査は容易ではなく、十分な実態調査が行われていないのが実情です。特に、放流後の汚濁物質の動態把握や親水空間との関連付け、またBODなどの一般的な有機汚濁指標以外の水質に関しては情報が不十分です。

CSOには、下水由来の病原微生物(バクテリアだけではなく、ウイルスや原虫類も含む)やホルモン物質、医薬品などの多様な物質に加えて、都市ノンポイント汚染物質である、ダイオキシン類や多環芳香族炭化水素類(polycyclic aromatic hydrocarbons、PAHs)といった燃焼副生成物や、都市基盤や建築物表面に塗装、散布されるような様々な化学物質や重金属類など、非常に複雑で多様なリスク因子を含まれていると考えられます。

これらのリスクの予測を行うためには、まず汚濁発生の定量的予測、排出後の動態の予測、さらに様々なシナリオの下でのリスクの評価、といったことが必要になります。たとえばお台場などの東京湾岸の親水公園をリスク評価対象に想定した場合、多数の吐き口やポンプ所、非常に複雑な下水管路網、入り組んだ水路などを考慮した解析や評価は極めて困難なことになります。実測データの蓄積と、予測モデルの高度化が必須であり、合わせて、従来測定されてこなかったようなリスク因子も念頭においた解析が求められています。

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環境中における雨天時下水道由来のリスク因子の変容と動態

研究成果PDFリンク

2003年の建設技術研究開発助成制度による研究成果(PDF)